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働く環境 その55

スタッフと派遣先との間には契約関係がありませんので、派遣先からスタッフに対し暴力団関係者でない旨の誓約書の提出を求めることはできません。貸金業規制法が暴力団関係者の排除を要求していても、それは貸金業の業務遂行についての要請であって、派遣先が直接スタッフに誓約書の提出を求めることの根拠とはなりません。
派遣会社は派遣先に対し、派遣スタッフによる業務を事故なく遂行をするという派遣契約上の義務を負っています。従って、スタッフが故意または重過失により派遣先のお金を紛失した場合は、派遣会社が派遣先に対し債務不履行(民法415条)による損害賠償責任を追うことになります。
スタッフも派遣会社に対し、雇用契約上の義務として派遣先での業務遂行に当たり、事故のないようにすることが求められています。従って、派遣先で、不注意によりお金を紛失し、報告せずに隠していたのは、派遣会社に対する契約違反として、損害賠償責任を負うことになります。
仮に、民法628条が要求している「やむを得ない事由」が無いにもかかわらず辞めるとしたら契約違反となるわけですが、派遣スタッフの最低限度のモラルとして、少なくとも、1)できるだけ時間的に余裕のある退職の申し出をすること(派遣元会社が代替要員を準備できるだけの合理的な時間)、及び2)仕事の引継ぎをすること(派遣先会社の通常の仕事に支障が生じない程度の引継ぎ)の2点をしっかり実行して欲しいものです。
これにより、派遣先会社や派遣元会社に対する迷惑が減少し、トラブルは小さくなるでしょう。このように、自分の都合だけでなく、派遣先会社や派遣元会社の都合も考えた辞め方をすることにより、後で不安になるようなことも無くなるでしょう。
また、全ての契約に共通する一般法理によっても相手方の同意なしに契約を解除することができます。相手方の「債務不履行」がそれです(民法415・541条)。例えば、派遣会社スタッフに賃金を支払わない場合です。スタッフが働かない場合もこれに当たります。
ご相談者の場合は、「やむをえない事由」により契約を解除できるか否か分かりませんが、派遣会社の「債務不履行」により契約を解除することが可能となるでしょう。つまり、派遣会社契約上、スタッフに同程度の労働条件の仕事を照会する義務があるのですが、派遣会社は、ご相談者に照会できないでいます(現に債務不履行の状態です)。ご相談者は、派遣会社に対し相当の期間を定めて仕事の照会をするように催告し、その期間内に契約に定めた程度の労働条件の仕事が照会されなかった場合は、その契約を一方的に解除することができるのです。


雇用契約を結んだ以上、契約期間内は、スタッフは働く義務があり、派遣会社スタッフに仕事を提供し賃金を支払う義務があります。また、ご相談者の場合のように派遣会社の見通しの悪さにより仕事がなくなってしまった場合は休業状態なので、派遣会社スタッフに当初の契約と労働条件が同程度の他の派遣先を照会するまでの間、休業手当を支払わなければなりません(労働基準法26条)。
しかし、スタッフの休業手当は、平均賃金の60%以上に過ぎません。従って、生計を維持することは困難でしょう。
雇用契約書または労働条件通知書(雇入通知書ということもあります)の要件と、就業条件明示書の要件が全て網羅されていれば、一致する部分を兼ねて行うことにより、一通で明示することも差し支え有りません。
雇用契約は、口頭でも成立しますが「労働条件通知書(兼)就業条件明示書」などという場合が多いようです。
このような文書は、原則として、雇用契約締結時に労働者(派遣スタッフ)に交付しなければなりません。例外的に、派遣開始後でもよい場合がありますが、その場合でも、遅滞なく交付しなければなりません。
従って、「短期だからいらない」ということは、ありません。
登録者のスキルを正確に見極めることは、派遣会社の重要な仕事のひとつであり、もし、スタッフの申告だけでスキルを判断したとすれば、派遣会社としての義務を尽くしているとは言えません。
しかし、派遣会社スタッフ1人1人のスキルを正確に認定することは簡単ではありません。また、スタッフにとっても、自分のスキルを正確に認定してもらうことは容易ではありません。
2つ以上の事業所で仕事をする場合は、労働基準法32条の労働時間及び35条の休日は通算され、アルバイト先の会社は時間外労働もしくは休日労働の割増賃金を支払う責任を負うことがありますので、それらの点も注意が必要です。
逆に、派遣の仕事をしているから、アルバイトを適当にやってもよいと言うことにもなりません。従って、あまりお勧めできることでは有りません。よく考えた上で結論を出しましょう。
以上のように、派遣スタッフの行うべき業務は雇用契約書や就業条件明示書(派遣法34条)に記載されており、また派遣先と派遣会社との間の派遣個別契約書にも定められています。これは、人材派遣の本質が「人の派遣」ではなく「能力の派遣」派遣会社は派遣先に対し派遣契約を守るようにキチンと要求すべきでしょう。


派遣先がお休みの土曜や日曜とか平日の夜とかを利用して、アルバイトをするのも原則として自由です。 労働時間外は自由時間ですから、原則として何をしようと誰にも干渉されることはありません。
しかし、職務に専念する義務の問題、企業秘密の保持の問題、職業倫理上の問題そして労働基準法で規定する労働時間や休日や割増賃金の支払い等をどの雇い主が負担すべきかという問題などから、多くの雇用主は就業規則で自社の労働者の他社への就業を禁じていたり、許可を要するものとしています。
派遣会社は派遣先に対し、派遣スタッフによる業務を事故なく遂行をするという派遣契約上の義務を負っています。従って、スタッフが故意または重過失により派遣先のお金を紛失した場合は、派遣会社が派遣先に対し債務不履行(民法415条)による損害賠償責任を追うことになります。
スタッフも派遣会社に対し、雇用契約上の義務として派遣先での業務遂行に当たり、事故のないようにすることが求められています。従って、派遣先で、不注意によりお金を紛失し、報告せずに隠していたのは、派遣会社に対する契約違反として、損害賠償責任を負うことになります。
派遣先は、派遣就業の管理に必要な範囲を超えて、派遣労働者の個人的な情報を収集してはなりません。
派遣先企業は、派遣就業が適性かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持に必要な措置を講ずるように努めなければなりません(派遣法40条2項、派遣先指針第2の9)。
派遣元の担当者が「週に一日くらい我慢してくれ。」と言われた場合、法律等が求める義務を尽くさず無責任な対応と言わざるを得ません。
 派遣労働者のような有期雇用契約の労働者には、民法628条が適用されます。それによれば、「やむを得ない事由」があれば労働者は労働契約を途中で解除することができます。労働者本人や家族の病気や怪我などが「やむを得ない事由」に当たります。体調を壊したということですが、医師の治療や休養が必要であれば、これに当たるでしょう。
また、民法628条により契約を解除した場合には、責任を問われることは有りません。
派遣先の正社員の対応が不適切で仕事がやりにくいという問題も就業環境の問題と言うことができます。従って、上記の派遣元や派遣先は、派遣労働者のために諸々の措置を講ずる必要があるわけです。


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