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働く環境 その56

スタッフと派遣先との間には契約関係がありませんので、派遣先からスタッフに対し暴力団関係者でない旨の誓約書の提出を求めることはできません。貸金業規制法が暴力団関係者の排除を要求していても、それは貸金業の業務遂行についての要請であって、派遣先が直接スタッフに誓約書の提出を求めることの根拠とはなりません。
納得できなかった営業担当者が感情的になって「ブラックリストに載る」というようなことを言ってしまったのでしょうが、派遣業界に回覧されるようないわゆる「ブラックリスト」は存在しませんので、ご心配は無用です。
キチンとした理由もなしに中途退社するのは「無責任」と言われても仕方が有りませんが、営業担当者も、いたずらに人を不安に陥れるような言動は慎みたいものです。
就業規則上は可能だとしても、アルバイトをすることにより疲労が重なり、派遣の仕事が十分にできないとかミスが多くなる場合は、派遣会社から雇用契約違反と言われても弁解の余地がありません。
他の仕事をしていることを言い訳にすることはできないのです。
2つ以上の事業所で仕事をする場合は、労働基準法32条の労働時間及び35条の休日は通算され、アルバイト先の会社は時間外労働もしくは休日労働の割増賃金を支払う責任を負うことがありますので、それらの点も注意が必要です。
逆に、派遣の仕事をしているから、アルバイトを適当にやってもよいと言うことにもなりません。従って、あまりお勧めできることでは有りません。よく考えた上で結論を出しましょう。
以上のように、派遣スタッフの行うべき業務は雇用契約書や就業条件明示書(派遣法34条)に記載されており、また派遣先と派遣会社との間の派遣個別契約書にも定められています。これは、人材派遣の本質が「人の派遣」ではなく「能力の派遣」派遣会社は派遣先に対し派遣契約を守るようにキチンと要求すべきでしょう。


派遣会社スタッフに請求できる損害賠償については、派遣会社スタッフに対する教育・指導が十分であったか否かにより、過失相殺されるので、必ずしも派遣会社が派遣先に支払った金額と同額ではありません(民法418条)。
派遣会社からスタッフに対する損害賠償請求が認められるとしても、スタッフの同意なしに、給料から一方的に損害賠償分を控除することはできません。また、給料の支払方法を銀行振込としたのは、派遣会社スタッフの合意によって決められたものですから、派遣会社スタッフの同意なしに一方的に変更することもできません。
派遣会社は派遣先に対し、派遣スタッフによる業務を事故なく遂行をするという派遣契約上の義務を負っています。従って、スタッフが故意または重過失により派遣先のお金を紛失した場合は、派遣会社が派遣先に対し債務不履行(民法415条)による損害賠償責任を追うことになります。
スタッフも派遣会社に対し、雇用契約上の義務として派遣先での業務遂行に当たり、事故のないようにすることが求められています。従って、派遣先で、不注意によりお金を紛失し、報告せずに隠していたのは、派遣会社に対する契約違反として、損害賠償責任を負うことになります。
仮に、民法628条が要求している「やむを得ない事由」が無いにもかかわらず辞めるとしたら契約違反となるわけですが、派遣スタッフの最低限度のモラルとして、少なくとも、1)できるだけ時間的に余裕のある退職の申し出をすること(派遣元会社が代替要員を準備できるだけの合理的な時間)、及び2)仕事の引継ぎをすること(派遣先会社の通常の仕事に支障が生じない程度の引継ぎ)の2点をしっかり実行して欲しいものです。
これにより、派遣先会社や派遣元会社に対する迷惑が減少し、トラブルは小さくなるでしょう。このように、自分の都合だけでなく、派遣先会社や派遣元会社の都合も考えた辞め方をすることにより、後で不安になるようなことも無くなるでしょう。
解雇の理由ですが、「やむことを得ない事由」があることが必要になります(民法628条)。やむことを得ない事由とは、契約をした目的を達成するにつき障害となる重大な事由です。


派遣先での人間関係の問題について、派遣スタッフは派遣元や派遣先に苦情を申し入れたり、問題の改善について相談することができます(派遣法31条、36条3号、40条1項、41条3号)。派遣スタッフの申入れを受けた派遣元は問題を真摯に受け止め、派遣先と連絡を取り、事実関係を確認し問題の解決に当たらなければなりません。また、派遣元から連絡を受けた派遣先は、事実関係の確認に協力し、問題が事実であれば指揮命令者や自社の労働者に対し適切な指導を行わなければなりません。
以上のような派遣元や派遣先の義務が単にスタッフに対する配慮にとどまらず、法律上の制度であることを派遣元の担当者や派遣先の指揮命令者は、十分認識していないかもしれません。
派遣先の対応も含めて、嫌がらせの事実関係を整理して、派遣元責任者に相談してみてはいかがでしょうか 。
派遣会社も派遣労働者からの苦情に対し適切な処理をすること、派遣先との連絡調整をすること等が求められています(派遣法31条、派遣元指針第2の3、5)。
仮に、民法628条が要求している「やむを得ない事由」が無いにもかかわらず辞めるとしたら契約違反となるわけですが、派遣スタッフの最低限度のモラルとして、少なくとも、1)できるだけ時間的に余裕のある退職の申し出をすること(派遣元会社が代替要員を準備できるだけの合理的な時間)、及び2)仕事の引継ぎをすること(派遣先会社の通常の仕事に支障が生じない程度の引継ぎ)の2点をしっかり実行して欲しいものです。
これにより、派遣先会社や派遣元会社に対する迷惑が減少し、トラブルは小さくなるでしょう。このように、自分の都合だけでなく、派遣先会社や派遣元会社の都合も考えた辞め方をすることにより、後で不安になるようなことも無くなるでしょう。
働きにくい状態が続くようでしたら、派遣元責任者に相談し、派遣元責任者から派遣先責任者に職場環境の改善を申し入れてもらうのもよいでしょう。 派遣元責任者も派遣先責任者も、スタッフの職場環境を整備する義務がありますので、スタッフから上記のような苦情や相談を寄せられたときは、職場環境の改善を行ってくれるはずです。
あまり気にしないで、派遣先での仕事に専念してみてはいかがでしょうか。派遣先の業務遂行に貢献することによって信頼され、職場環境が改善されることが一番大事なことではないでしょうか。


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